突然ですが、土手すきですか? 私はすきです。なんでかって、風が通り抜けて気持ちがいいし、広々していて景色はいいし、街のなかみたいに車に気ぃつけながらオソルオソル歩かないでいいし、雨が流れると水の下に沈んじゃうような危うい場所なのに、しっかり植物が根付いていたりするし、おじさん犬の散歩してるし、おじさんウォーキングしてるし、おじさん、しげみの中で野菜育ててるし、おじさん小屋のなかで住んでたりしてるし、初々しいカップルがすわってるし、なんだかすっからかんとしているし、学校の屋上と同じような感じがするんですね。
で、夕方になってオレンジ色に川面が染まったりすれば、もう告白するっきゃないよね!的な感じで、今日も日本のどこかの土手、橙色の空のした、「すきです。つきあってください。」とかいってる、ミニスカートのかわゆい女子高生が何人かいるんだなぁと思うと、土手っていいなぁっと思うわけです(笑)。
ところでそんな土手に流れる、薄水色の空気を、これでもかというほどうまくとらえたマンガがあって、それが今日マチ子さんの「センネン画報」っていうやつなんですね。
何年か前に「未来創作」っていう詩の同人誌っぽい単行本(コンセプト的には同人誌っぽいんだけれども、ちゃんと取次で流通しているし、谷川俊太郎とかも参加していたから、一概に同人誌とはいえない)に載っているのを見て、お、これはいいなと思ったんですけれども、ネットで検索してみると、実はブログで毎日新しい絵をアップしてあって、ほとんど全部水色っぽい色調の絵なんですけれども、なんともいえない初々しいブルー感が漂っているのです。
ブログで載っていた絵を集めてまとめた『センネン画報』という本も太田出版から5月に出ていて、コストの関係からかせっかくの青い絵が途中からスミ1色刷りになっちゃっているのがちょっと寂しいんですけれども、とはいえ、土手の青々く空虚ですーっとした感じが好きな人にはたまらない、手元においておきたい一冊に仕上がっております。
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この本には、書き下ろし(と思われる)「海から36km」という長編のストーリーも入っていて、ここで描かれているのが、多摩川右岸、河口から36kmの付近なんですね。多摩川右岸、河口から36kmといえば、京王線聖蹟桜ヶ丘付近、京王線の多摩川橋梁と、府中四谷橋というまだまだ新しい幹線道路橋の中間あたり。前にとぼとぼ歩いたことがあるのですが、ほどよく人工的で、ほどよくほったらかしで、滞留するのにすこぶる気持ちが良い場所なんですね。よく土手にはゴルフ場とか野球場とかがあって、そういうのがあると川縁まで近寄りがたかったりするのですが、このあたりにはそういうのがある訳でなく、木々や植物が繁茂し鬱蒼として人の近寄るのをはばかるわけではなく、さりげなく広場っぽい感じで歩きやすく、人通りはそれなりにあるものの混雑を極めることもなく、ふりむけば聖蹟桜ヶ丘のショッピングモールが見えて、街近くの安心感もある、なかなかの好立地なんです。
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ほかにもほかにも、素敵なロケーションがいくつか登場しちゃうところも見逃せません。百草団地を見渡せる丘の上とか、その手前の給水塔脇の通路とか、南武線の多摩川橋あたりの土手(たぶん)とか、多摩川沿いのブルースポットがさりげなく描かれているのに加えて、九段下ビルの階段とか屋上や、鶴見線海芝浦駅のホームなど、水色の似合う場所が、本当にさりげなく、描かれているんですね。
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憧れの青い土手で、制服姿の高校生の男女が、くっついたり、くっつかなかったりする感じ。甘酸っぱいというよりも、水色っぽい感じ。いいです。





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