2007/11/11 日曜日

書籍『滝山コミューン1974』

これから時折、団地を考えるための書籍やWebをピックアップしていきたと思う。今回は、書籍『滝山コミューン1974』原武史(講談社、2007)。滝山コミューン1974

この本の舞台は、1974年の滝山団地。その団地的社会の最も華々しくにぎやかであった時代の生活と教育を、当時少年であった作者の回想と政治学者的な視座により再考しようとする、社会史的エッセイである。

最も多くのページがさかれているのは、作者が通った公立小学校についての記述である。生徒のほとんどが団地に住むその小学校は、団地住民という先進的な保護者たちの積極的なPTA活動と、全生研という教員組織に参加する教員たちの積極的な教育実践の舞台となっていた。

驚くべきは、班活動や合唱コンクールという、現在どこの小学校でも当たり前に行われている仕組みが、全生研という教員組織の積極的な教育実践の主題として、彼らと、彼らの指導により生まれた積極的にリーダーシップをとらんとする生徒たちにより展開されていたというエピソードである。

もちろんそうした彼らの考えによる展開のしかたが、現在もなお、学校教育の場に色濃く影響を残しているかどうについては、定かではない。しかし、かつて私自身も体験し、“あたりまえのもの”と思っていた教育的仕組みが、このような政治的背景を持っていたと知らされた感じは新鮮だった。

かつて高倍率の抽選によってしか入居できなかった、夢の街としての団地で、どんなことが起こっていたのか。その一端を鮮やかに伺い知ることができる、スリリングな一冊だ。

団地生活 | リャマ | 2:52:32 |

2007/11/4 日曜日

団地にだけ配られる新聞

The New Keyさて、長らく入居までのもろもろをご紹介してきましたが、そろそろ入居後の話題を取り上げていきたいとおもいます。

今回は、団地にだけ配られる新聞の話です。新聞とはいっても隔週の土曜日にポスティングされるタブロイド判のもので、誌名は『The New Key(ザ・ニューキー)』。株式会社団地通信という、ちょっと業界新聞紙っぽい臭いのする新聞社が発行しています。

載っている記事は団地ネタの割合が多く、公団住宅削減計画を阻止する集会の記事や、団地自治会ネタ、団地祭りの告知、団地生活のマナー啓発記事など、普通の新聞ではまずお目にかかれない団地ネタが盛りだくさんです。団地の維持管理をしている日本総合住生活(通称JS)によるリフォームの宣伝記事や、ストック住宅の改築に関する記事なんかが載ることもあります。もちろん普通のタウン誌っぽく、料理レシピや将棋、TVの番組ガイドや、健康食品の宣伝とかも入っています。

ミニコミ誌・タウン誌の総合サイト「ミニコミ・コム」によると、創刊は1981年12月。約25年間にわたり、公団団地に関わる様々な話題を収集・提供してきたわけで、団地に暮らしたことがある方にとってはおなじみの新聞なのかもしれません。

住宅についての資料館がオープン

ところでその『The New Key』の最新号に、ちょっと注目すべき記事が載っていました。

(財)住宅管理協会が、東京・西新宿の新宿アイランド・タワー内に、住まいに関する書籍や資料などに特化した”都市居住総合資料館”という施設を移転開館させ、広く一般に開放しているそうです。貸し出しはしておらず閲覧のみで、資料館の開館時間はAM10~PM5で、土・日・休日と年末年始は休館、電話番号は03-3344-1315だそうです。

住宅政策に関係する書籍や資料などを取りそろえているということですが、団地についての資料や書籍がどの程度あるのかは、まだ私も訪れたことがないので、わかりません。とはいえ(財)住宅管理協会は旧公団(現都市機構)と深いつながりのある組織のようなので、団地がらみの資料がそれ相応に揃っている可能性は高そうです。

もし「行ったことある!」という方がいらっしゃいましたら、どんなところかぜひ教えてください。

団地生活 | リャマ | 21:59:04 |

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