なぜ団地なのか?
アパート、マンション、一戸建て、長屋、テラスハウス、社宅、寮、下宿…。数ある住居のなかで、あえて古い団地に住もうと思ったのは、その存在が魅力的であるからに他なりません。
棟と棟の間に広がる芝生、月日を重ね大きく育った樹木、計画的で余裕のある住棟配置、建物そのものが持つ独特のスケール感、さらには、建設からの数十年の月日が醸し出した趣など、昭和30~40年代に建設された低~中層階の団地には、現在の集合住宅では真似のできない開放感と、独特の雰囲気があります。
しかし築40年を超えた建物の老朽化は否応なく進み、昭和30年代築の団地は大半が取り壊され、また昭和40年代に建てられた団地も、近い将来建てかえの対象となることが予想されます。そのような状況のなかで、団地らしい団地――いわゆる4~5階建ての公団住宅――に住むためのチャンスは、徐々に減りつつあるのです。
住めなくなるまえに、壊されてしまう前に、できたら一度、団地らしい団地で暮らしてみたい…。団地へ住もうという計画は、そのようなちょっとした“焦り”の気持ちから始りました。
▲住棟間に広いオープンスペースが設けられている、ひばりヶ丘団地。建てかえが進み、現在は古い住棟の空き家募集は行われていない模様。(参考写真)
※団地空間の魅力については、本サイト内「Landscape:01 団地」にも記載しています。
